チャレンジグラブメーカーさん(私はその表現は少し違和感ありまして、もうしっかりと
野球人に認知されている立派なメーカーさんです)と呼ばれるグラブのインディーズブランド
を手掛ける職人さん(社長ご本人)とお話をする機会がたまにあります。
自分が手掛けたグラブが中古として並んでいて、ショックを受けた!と言っておられ
るのを何度もお聞きしました(お店には見に来られているのですね)
ちょっぴり気まずい雰囲気で、お互い言葉が出ない「間」があって、私もなにやら悪いことを
した気になってしまい、その場をとりつくろう自分がおりました。
私見で偏りがありますが、
弊店のようなミジンコ買取店にまで、そのグラブが出回る、ということはかなり市場
に出回っている証拠で、裏返せば売れているグラブでもある、ということです。
売れる、ということは野球人にとっては認知度があって魅力的なグラブであることが
間違いありません。
また、「売ってしまう」という行為に関しましては買ったけれど自分に合わない、やっぱり
なんとなくイメージと違った、使い心地がいまいち、などとネガティブ発想になりがちですが、
実際の買取現場で会話する売りに来られたお客様の思いとは結構ズレがあります。
生の声なので間違いはないのですが、結論を言うとそのグラブが素晴らしいから売る
という方も多くおられます。証明としては大まかに2点。
1点はかなり高値でなければ手放しされません。2点はどれも未使用品が多いことです。
たとえば時計のローレックスやもっと大きなものではマイカーです。そのものの価値を知って
おられます。良さを十分にわかっておられます。
その価値に見合った価格でなければお売りになられないのでいつも買う側は苦労します。
かなりの高値をご提示して寄り添った納得の価格で契約成立します。ブランド価値が
高いですね。金や銀とまではいかないですが、高級ブランドのバックや財布などと同レベル
です。2点はそれに付随した現象ですが、コレクションとして大切に手元に置いておきたい
という気持ちです。大事に大切に触っていたいということです。使うとちびってしまう
(大阪弁?)のです。触らずにいた方がコレクションの価値もそのままキープ出来ます。
ここまでくるとメーカーさんの思いとかけ離れてしまいますが、ではなぜ実際に未使用品
が多いのでしょう。また、それならば何故売るのか?ですが、ユーザーさんからすれば
本当は手元に置いておきたい思いなのです。しかし次の新作や限定品を見ると
欲しくなってきます。買いたいです。でもお金も限度があります。そこでコレクションを売って
新しく買い換えたい、という思いなのです。球児先生では下取りシステムもあります。
これは買い替えの値引きをして次に購入されるグラブの値引きをするシステムですが
(現金査定額の120%ぶんのお値引き)よくご利用頂きます。
もちろん、合わない、イメージと違う、使い心地が良くないこともあるとは思います。
いろいろな事情で手放すきっかけもあると思います。私たちは中古のグラブを買取
しますが、ただ単にモノを仕入れて右から左へという単純な思いでは商売していません。
キッチリとメンテナンスして、そのグラブの良さ、質、またはメーカーさんの思いも含めて
出来るだけ次のユーザーさまに理解していただき、バトンタッチしたいと考えています。
そのために日々、勉強もしています。まだまだですが、使わなくなってほこりをかぶる
グラブよりも、次にその思いも含めた素晴らしいグラブを使って楽しい野球をしてほしい