今回は株式会社山陽さんへ見学・勉強に行ってまいりました。
革の聖地、兵庫県姫路市にあるタンナーさんで創業は明治38年設立の老舗
100年企業です。原皮から完成までを一貫生産行う数少ないタンナーさんです。
※牛の原皮を掲載することはグロテスクかもしれませんが、
「牛に感謝」「牛さんありがとう」という言葉が軽すぎる
ほどに生々しい現実があっての私たちが使うグラブなので
あえてご紹介しました。冷え切った保冷室には塩漬けされた
牛の原皮。耳やひづめも付いた油と肉片付きの原皮は臭いも
相当ですが、そのような感情も超越する悲しいけれどありが
たい気持ちにさせていただける場所であります。
5-6年前にも一度訪問していたのですが、この時まではその存在自体がタブーで
大手メーカーさんからのミステリーツアーのようなものとして見学したことがありました。
ほぼ目隠し状態で、どこのどんな場所に連れてこられたかわからず、他言してはならない、
場所や会社名も公表NGでした。写真なんかももってのほかだったと記憶しています。
現在はツアーとして開放され、SNS発信OKでガイド(広報さん)さんまで付いて勉強
のためのあらゆる質問も受けていただけます。
今回はグラブの革についてあらゆる質問を丁寧にお答えいただき感謝いたします。
タンニンなめしは1カ月かけてじっくりと仕上げます。
これがウワサのウエットブルー クロムなめしの基本形です
タンニンでなめされた革です
ウエットブルーはビニールにくるまれて乾燥しないよう保管
主にタンナーさんとは皮→革へ「鞣し なめし」という加工を行う企業です。
なめす、という行為は原皮(毛や脂や肉片が付いた牛の皮)をなめし剤を使用して皮の
コラーゲンに「橋架け」という科学反応を起こして革として耐熱性・耐薬品性・耐腐敗性・
柔軟性・剛性などの特質を持たせる行為であります。
主になめしには2つの方法があります①タンニン鞣し②クロム鞣し
①
はポリフェノールの成分でアカシア属植物のミモザの花がメインです。
②
は塩基性硫酸クロム塩とよばれるクロムを含んだ化学薬品でいわゆる鉱物です。
工程はざっくりと6パターンに分類されます。1パターンごとに職人さんが何人もかかわり、
どれも気が抜けない大切な加工ばかりです。
余りに長いのでここで前編としまして再度ご案内いたします。
退屈な長文で恐縮です。 To Be Continued・・・・・