現在、新しく製作されるグラブでは比率的、和牛レザーを使うメーカーさんが増えて

いますが、はたして一般的に使われている北米産ステアを中心とする輸入牛原皮

とどんな部分で異なるのか、また和牛ってお買い得でおススメなのかをお伝え致します。

 

単純に和牛レザーって、あのおいしい霜降りの高級な和牛なので肉はもちろんジューシー

で美味だけど、革も結果として肉同様に和牛だから皮(革になる前は皮です)も上質で

上等なもの、であると変なイメージでとらえておられないですか?

実は。。。。その通りでいろいろと理由はありますが、先に答えを言うとその通りなんです。DSCN0433

タンナーさんという言葉を聞いたことがあると思いますが、製革業者さんのことで、平たく

言うと「皮を革にする人」のことです。ここに原皮が持ち込まれるわけですが、通常、

輸入された原皮は腐敗しないよう塩漬けにされているので、輸入原皮の場合は塩漬けの塩を取り除く作業から始まります。北米産ステアを中心とする輸入牛原皮が国内で処理されて

いますが、ここに来るまでに数か月の時間を要してます。現地の輸出業者へ渡り、そこから

船で運ばれてタンナーさんへと渡ります。皮には肉や脂肪や毛も付いているので塩辛状態

ですね。

 

一方、和牛の場合は国内なので屠場から出た原皮は一般的な塩蔵処理ではなく冷蔵

でも取り扱いが可能な場合もあるのです。(チルド方式によっての処理・保存)

これによって和牛の特性である程よい脂肪分があり柔らかくてしなやかな革を生み出す

ことが可能なのです。もちろん、広大な原野で野生に近い状態で草を食んで育った牛と

完全管理された(飼料も含む)和牛の差もあると思われます。

結果として和牛の質がいいのは当然といえばその通りで、キメ細かな繊維で、密度ある

上質な革が出来上がってくるのです。その革で製作したグラブは悪いわけありません。

おすすめできる理由です。ちょっと高いですが。

 

ただ、日本では欧米のように原皮産業システムが機能していない為に、実は多くの皮

が廃棄されているのが現状なのです。水質環境汚染やいろいろな複雑な問題もあって

食肉の副産物である皮が消費場所を失い、処分されてしまっていることも心苦しいです

が現実としてあるようです。難しい問題ですね。