ここのところ、バットに関することばかりの話題となってしまいますが、それだけ毎日たくさんの
バットの買取りをさせて頂いておりまして、グラブをも凌ぐ物量となりつつあります。
グラブ同様にいろいろな状態のバットがありまして、復活させて店頭デビューをさせてあげたい
のですが、グラブとは異なりリペアの範囲も限られており、残念な結末になってしまうこともしばしば
です。今回は高級コンポジットバットが腐ってしまったケースをご紹介したく思います。
『バットが腐る?』ということとはどの様な状態を言うのでしょうか?折角高いお金をはたいて
ゲットしたバットが徐々に腐食して侵されてゆく状況はきっと実際に使用されておられると顕著に
ボールに対する反動の感覚で感じてゆくものだと想像できます。
今回、ご紹介するお写真も解体してどんな感じの造りなのか?という野次馬的なモノではなく、
何故『腐食→硬化→粉末化→パウダー化してなくなってしまう』のか原因と予防策を考えたい
と思ったからであります。解剖はもったいなく、悲しいことでありますが、仕方ありません!
これから述べさせていただくことはあくまで個人的な意見です。おおいに間違っている
可能性もありまして、想像の範囲ですので、予めお含みおきを頂けますと幸いです。
ウレタン部分の腐食はひょっとして『カビ?』なのではとも思うのです。カビが生える、
というものではなく、ウレタンという材質とカビが合体して溶解してゆくのではと思うのです。
というのは、このような状況になるバットは稀で、単に経年劣化(もっと古いもので健康な
バットはたくさんあります)が原因ではないと思うからです。
カビ化するトリガーとなる物質は【水分】だと思います。グラブと一緒ですね。
一旦、硬化してカピカピになった部分があると、それは徐々に全体に浸食してやがて全てに
広がってしまいます。リンゴやミカンがちょっと腐ると一気に広がることと同じ?ような気が
します。異なることは硬化部分があるとその広がりは残念ながら止めることが出来ず、
『既に死んでしまった』状況となることです。
水分を嫌うことです。ウレタン系のコンポジットバットは大きく3ヶ所の継ぎ目があります。
ヘッド部分・中央に縦筋として巻く状態の1本筋・グリップ上部の部分となりますが、
この部分から水の浸入をさせないこと、雨の日や濡れてしまった状況では必ずこの部分を
タオルなどでぐっと抑えて水分を失くしてください。また、コーティングされている
ウレタンのビニール表面部分に穴や破損があれば小さくてもシリコン系のボンドなどで水が浸入
しないように修繕してください。
保管状態も意外と大切です。押入れや湿気のあるところは避けてください。劣化を早めます。
グラブの保管と同様ですね。バットは天日乾しもいいですね。気を遣うことも多いですが、
どうか大切に長くお使い頂けるよう、お願い致します。それでは。