兎に角、硬式グラブは新品のうちはカチカチで硬い。手にはめてもとじることが出来ず

パーのままだ。これをいかに柔らかくするか、即使用出来るまでにどうもってゆくかが一番の課題だ。

スチーム・湯モミ・スプレー・型付けのトントン・オイル類、ありとあらゆる

モノを試して、このグラブに合ったやわらか加工仕上げを目指している。にわかに即興で

型を付けても、12日と日が経つと少し硬化してくる。握力がない人でもはめてすぐに

パコパコ出来るのが理想だ。もっと言えばグラブをそっと横に置いた時、自然と親指とくすり指の

先端がくっつくほどの柔軟性がほしい。新品の硬式グラブをそこまで型付けするのは至難の技である。

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        理想の型が付いたグラブ。(中央・上)まだ一部しか出来上がっていません。ここまでするには骨が折れる

        作業です。ポケットを作ることとドテ部分は親指と小指の付け根2ヶ所から可動加工しています。


よく見るのは型付け・湯モミ加工無料、柔らかくします、などのセールス文言であるが、その加工

を施されたグラブもよく買取りをする。しかし、実際にそのグラブを見て触わるとやはり

残念なことが多い。型も中途半端であまり柔らかくもなっていない。でもそれはそれでショップは

責められない。硬式の場合、これぐらいが限界で理想的に型をつけることと柔らかくすることを本気

でやるには丸1日も2日もかかってしまう。人件費・手間がどれぐらいかかることであろうか。

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そう考えると球児先生のオリジナルグラブはかなり手間暇・時間(型付け作業のみで)をかけてしまって

いて、時間を経費に換算すると恐らく赤字(売価の方が安い)ではないかと思うのである。

上記のように丸1日も2日もかけることは出来ないが、1個につき3-4時間をかける。

そうなると頑張って1日に3個が限界なのである。ただし、外注に出すわけでなく、スタッフが

店番のヒマな時を見計らい、またはみんなが家に持って帰って内職のようにコツコツやっているので、

実際は自分たちの手間だけで済むのでやってゆける。本当にミニマムな世界で人知れず地味に活動

をしています。まずは限定で100個の予定です。シリアルナンバーなんかはありません。

100個も売れるかというと自信は14%ぐらいです。たぶんいっぱいあまってしまうのだろうなあ、

と本気で考えておりますが、後戻りはできません。誰か買ってください。
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       あらかじめオイルは塗っている。高級で上等な純スクワランオイル100

      人間のマッサージ用(人に塗るもの)なのでピュアオイルですが、そうなるとお値段も高く

      このボトルで数万円もしてしまう。オイルを塗ることでグラブの革は柔らかくなります。