中古のグラブを取り扱うにあたり、どうしても必要となるのがメンテナンスだ。
なので、修理やオーバーホールが出来る体制を整えているのだが、お客様に対しても
修理・オーバーホールを承っていて、毎日、少なくとも2-3件はいろいろとご相談を
持ちかけられる。多い日は5~7件にもなるので、1か月にすれば相当の件数となる。
メールでのやりとりがメインなのですが、本当にいろいろなケースがあって、毎日が
日々勉強する事ばかりです。
修理やオーバーホールについては梅田の10坪そこそこの小さな店舗では当然対処できません。
革の洗浄や染色も無理です。よって、直接設備の整った工場へ送って、本格的に施工します。
私自身がするのではなく、専門の職人さんにお願いしております。職人さんはこの道30年で
今までに数万個も修理・オーバーホールを手掛けられたプロ中のプロです。この方と連絡を
密にとりあい、どうすれば一番ベストな方法か!を話し合ったり協力しあったりしています。
他に兵庫県伊丹市といとう場所にはメンテナンスセンターなるものをかかえておりまして、こちらは
私が常駐しており、同じような作業を手掛けております。ただ、まだまだ修行の身ですので
自分のところで販売するものをリメイクするために存在しております。もちろん、簡単な
作業に関しては兵庫県伊丹市のメンテナンスセンターにて施工しております。
毎日、いろいろなグラブが工場に入ってきます。革が固く硬化してカピカピでひび割れ
しているものが多いです。ひび割れは研磨して出来るだけフラットにします。
先日もこの職人さんと話をしておりましたが、本当にいろいろなグラブが持ち込まれます。
もちろん、スーパーマンではありませんので、出来ることと、出来ないこともあります。
結構多いのが、箪笥の奥にしまっていたグラブを数年ぶりに出してみた。いざグラブを見て
みると穴ボコだらけだった、というケースです。そう、犯人は『ねずみさん』なのです。
ねずみにかじられ、穴だらけになってしまうケースです。『犬』も多いそうで、こちらは
強烈で親指全部かじられる、人差し指がなくなっている、などです。それでもかじられた部分
の型を取って、一からその部分だけを再生させて元のグラブにくっつけて縫い合わせる作業
で復活させます。まるで外科的手術のような技です。ただし、どうしても継ぎ合わせ部分は
分かってしまうし元のグラブとの違和感は払拭できません。
30年前や40年前のカチカチに固まったグラブの復活も多いです。固まってひび割れして
ヒモも引っ張るだけでプチンと切れてしまいます。これは軟化剤を1週間かけて浸透させて
柔らかくなったうえでの施工になります。意外と厄介なのが黒カビです。内部の革の奥まで
犯されているケースも多く、革が死んでいるので、復活が難しいです。独特のにおいも何度
洗浄してもとれません。
こう考えると、グラブの総合病院のようなところですが、どんなケースでもご相談頂けましたら
ご返信をさせて頂きます。前述しましたが、出来ないことも多々あります。またお金も場合に
よっては高額となり、新品を買った方が安い場合もあります。ケースバイケースですので、
ご都合によりご利用頂ければと思う所存です。