グラブの革について日々思うことを述べさせていただきます。

革を染める工場へ見学に行きましたが、圧倒されてしまいました。プロ職人が施す匠の技で、かなり

秘密的な部分も多いらしく、見学の際は目隠しされたような状態で、どこで何をどうやっているのか

断片的しかわかりませんでした。

 

革を柔らかくすることが「なめし」ですが、工程には2種類あり、「クロムなめし」「タンニンなめし」

となります。クロムなめしはクロムという金属製の化学薬品を使用します。クロムを使用することで

時間とコストが抑えられます。薄くて軽いのが特徴で、発色性もいいのでカラフルな素材として利用

しやすいです。強度も比較的あります。一方、タンニンなめしは1-2ヶ月かけてじっくりと染めてゆく

昔からの手法ですので、一般的には「クロムなめし」が主流です。

なめした革はその時点で「ヌメ革」と言われ、ここから着色してゆきます。

 

順番として

塩漬けされた源革 → 1日かけて綺麗に洗う → 革に残った油分・脂肪を削ぐ

→ 石灰にて毛を脱毛する → なめす → 染色する → 乾燥

            ※かなりざっくりですが、おおよその工程です

 

家庭用洗濯機の100倍ぐらいの大きなドラムを使って洗ったり、100人は入るような浴槽に

革を薬品漬けしたりで、かなり大変な重労働で、タイミングや状況に応じた判断も必要で、

まさしく職人が黙々と行う作業です。

ちなみに、あの「革のにおい」というのは本来の革のにおいではなく、化学薬品の薬の臭いです。

ヌメ革は無臭なのです。

g8750abcd

さて、こうやって出来上がった革ですが、革のおいしいとこ取りをしているのはやはりあの

ミズノです。革でも部位によって価格と価値が決まってきます。いわゆる、一番おいしい

部位であるサーロインやフィレのところ(肉ではありませんが)はミズノのシェアが6-7

と言われております。その真骨頂が【ミズノプロ】レーベルですが、メンテナンスをしていて

思う事、革に関して言えば、やはりミズノプロとなってしまいます。これは触った感触や

雰囲気ではなく、かなりハードな洗浄や革にストレスをかける行為をした後も、比較的元の

状態を保っているのです。革の質が落ちたとか、海外生産云々とか言いますが、うーん、

どうしても腐っても鯛は鯛なのです。ミズノの宣伝をする気もありませんが。。。

但し、革質に関してですので、機能性・デザインや使用感は異なりますので、上記を気にせず、

グラブはお選びください。


最後に、カラーで言えば

黄色(イエロー)系は出来るだけ避けてください。イエロー系のグラブの場合、洗浄や汚れを落とす

ために磨いたり拭き取ったりすると、乾燥後には必ず革が黒くなってしまいます。黒くなったから

といって乾燥後にその部分をやすり掛けすると一旦は色が復活しますが、オイルなどを塗るとまた

黒くなってしまいます。難儀なのです。買取り査定の場合も少しだけ価格が下がってしまいます。

それでは。「弘法も筆を選ぶのだ!