メンテナンスの季節がやってまいりました。

秋も深まる10-11月には毎年、修理やオーバーホールなどのご依頼が集中してきます。

そんな中、最近は型を直したい、というリクエストをよくお受けします。基本的には単純に

ペッタンコになったグラブやポケットがないもの、シワや突起が出来てしまった嫌な感じの

型が付いてしまったものです。

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球児先生ではグラブ叩きや簡易的な型付けは現在もお受けしています。

しかしながら、型直しは基本的にはお受けしておりませんでした。現在はそのリスクと

出来ること、出来ないことをご説明して、ご理解をくださるお客様はお受けしております。

ただ、正式なご依頼ではなく、トピックですので、料金表や詳細をホームページでは

ご案内しておりませんでした。

何故か?何度かブログなどでも取り上げましたが、現時点で成功率は50%ぐらい

だからです。嫌なグラブの型については、型を付けたお店もしくは職人さんだけが原因

ではなく、いろいろな要素が重なっての結果であると考えており、見た目だけの

型直しをしても、革の質、特にユーザーさまの手の癖(キャッチング時の指のたたみ方など)

も大きな原因で、一見して型が直ったとしても時間が経つと元に戻ってしまうのです。

本当に型が戻ることはやっぱり難しく、少なくとも3-6ヶ月後の状態を想像して、成功か

失敗を宣言するものだと思っています。

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そうは言うものの、球児先生では、お客様のご依頼ではなく、販売するためのメンテナンス

の一環として例えば13個のグラブをメンテナンス(型直し含む)した場合、

7年やっているとしたら7,000個もやっている計算になります(休みがないブラックです)

これだけの実績はあるはずなので、型直しのリスクをご説明の上、正式にお受けする

準備を考えております。
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その型直しの内容ですが、

結構過激な方法で施工しています。ヒモ調整は無論のこと、革までいじります。

徹底的に叩いたりなめしたり、場合によってはグリスを入れ直したり、革をもう一枚挟んだり

(熱めの湯)は使いますし、スチームも使うかもです。またポイントで柔軟剤や硬化剤

も使用する可能性もあります。アンコやプラ(親指・小指)も触るかもです。

結果としていい形になるために方法はグラブによって様々です。しかしながら、

価格的に1万円までの使い込んだ軟式グラブなどは復活がほぼ絶望的ですし、

ミット関係はまだ自信がございません。少し使って段々とまた嫌な感じの型に戻る

可能性もあります。このようなリスクをご理解いただきまして、それでも、というお客様

は一生懸命頑張りますので、よろしくお願いいたします。