ここ最近のグラブメーカーは本当にたくさんの新規立ち上げが目立ち、段々と群雄割拠
の様相を呈してきています。買取の仮査定時にも初めてお目にかかる、フレッシュな顔ぶれ
は凄く興味をそそられる一方で、はたして、この新規メーカーさんは機能・使用感・デザイン
から耐久性まで、本当にいいのかわからない(実績がないので)まま、評価(価値)を見出す
ことに違和感と難しさを感じる今日この頃です。
そもそもグラブを売り出すパターンとしては大きく2パターンあると思います。
1つはOEM生産
一番多いケースです。すぐに業界へ飛び出し、アピールすることが出来ます。なぜなら
プロに委託して全面的に作ってもらうからで、出来上がればすぐに売りに出せるからです。
例えば既存のグラブメーカーさんがあってA社とします。A社は技術も人も環境も
既に完成させており、A社のブランドとして長年グラブをリリースしていますが、仮に
BスポーツというショップがA社に製作を依頼して新たなブランドを作ってもらうことを
OEM生産といいます。品質がいいこと、安定供給が出来ることがメリットです。
半面、人に作ってもらうので、手間賃や製作費用もかかってくるので割高となって
販売価格にも反映されてしまうこと、小回りが利かないので作りっぱなしとなってし
まうことが考えられます。
2つは自分が作ってしまう、または自社生産
革の仕入れからデザイン、裁断、縫製と一貫して最後まで仕上げる。
よくあるケースは大手メーカーから独立してまるまる立ち上げてしまうケースです。
ノウハウはあるので、比較的スムーズに独立は出来ますが、資金力が大変となって
きます。また、個人の裁量が大きいので、言い方は悪いですが、「下手くそ」であったら
取り返しがつきません。当たりハズレもよくありますし、センスがないとすぐにユーザーには
バレてしまうでしょう。それでも頑張っておられるメーカーさんを何人も知っています。
やっぱり、新しく立ち上げられたメーカーさんは最低でも3年は続けてほしいです。
出来れば5年ぐらい続けることができて、一人前でいいメーカーさんだなあ、
と思ってしまいます。
少しだけしか売れなくてもコツコツと営業を続けてゆくメーカーさんを応援したいと思います。
買取時の【査定】ですが、はじめて見るメーカーさんには、正直にもうご祝儀価格
はやめようと思います。というかフツーのご提示価格にてご提案をしております。
かつては珍しいし、貴重な逸品なので頑張って奮発して目玉としてご提案をして
おりましたが、これだけ雨後の筍のようなメーカーさんの立ち上がりの中で、本当に
いいものか?本当に売れるものか?という見極めが出来ない中での高額買取は
やめようと思いました。今までの大手メーカーさんのグラブと同様の扱いをさせて
頂こうと思っております。期待を頂いてガッカリ残念と思われることもあるとは存じますが、
どうかご理解を頂けますと幸いです。
オープン当初、ご来店のお客様がミズノのビックМのミズプロを見て、「うおおおっー、
ビックМがある!懐かしいし珍しい!」という新鮮な気持ちに戻れたらとも思っています。