たまにご依頼をお受けするのがグラブの『シワ』『クセ』をリセットしたいのでこれを

とって欲しい、とのご依頼です。人間の美顔のシワとりではないけれどなかなか

難しいお題でございます。正味の話ですが、成功率は50%ぐらいでしょうか。

ですから、通常はご説明をして積極的にはお受けしていない状況です。

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               このシワはグラブ由来の可能性が。

ご使用されている人にとっては自分の意思と反したシワは使っているだけでイライラ

するものです。『なんとかならんかなあ、、、、』と思っていることでしょう。

原因は大きく2つ。ご本人の手のクセ。キャッチング時の手のひらの力の入れ具合

からくるもの。もう1つはグラブそのものの革の状態、またはグリスの入れ具合。

グラブ由来は言いにくいことですが、「ハズレ」の可能性もあります。異なる部位の

革を重ねているがゆえに裁断箇所や方向によって革の伸び方が異なります。それを

グリスでつなぎとめているのですが、どうしてもズレが生じます。そのズレはやがてシワ

となってくるのです。

 

具体的には、

出来る範囲で出来ることをやってゆきます。グラブのヒモを外して、グリスの調整を

します。多ければ取り除き、少なければ補充です。ここからが球児先生独特の手法

ですが、シワ部分に60度前後の熱い湯をあててゆきます。結構な時間をかけて

革を一旦ふやかします。ピンポイントですので他の部位にはあてません。

ふやふやになったら叩きを入れて出来る限りフラットに叩いて行きます。

シワの跡がなくなるまで。ペーパータオルで水分を除去したら2-3日かけて乾燥

します。その後、ヒモを通し直しします。これで復活率は五分五分でしょうか。

 

ご注意していただきたいことは、ご本人の手のクセ由来の場合は

やはり使っていくうちに元に戻ってしまう可能性が高いことです。お金をかけたのに

やっぱりか!となってしまうことは施工した職人にとってもつらいものがございます。

これが積極的ではない理由です。それでも、という方はぜひご相談ください。