今回は革について少しだけご説明いたします。

グラブの革はうしさんの皮ですが、毛と少しだけ肉がついた塩漬けのものが北米や国内からも

タンナーさんのところへ入ってきます。タンナーさんは皮から革へ加工する業者さんです。

革製品となる全ての原材料である革を仕上げますので、靴やブーツ・手袋やレザーコート・

カバン向けの革も含まれます。もちろんグラブの革もです。用途と材質によって加工方法が

異なってきます。

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うしさんの場合、解体し捌くことを背割りと言いますが、背骨を境に半分に割ってしまうのです。

背割作業後. 枝肉2分割されます。これが精肉となるわけですが、 革も私たち(メーカーさん)

が手に入れるときは丸々一頭分の皮を半分に割ったものが入ってくるのです。 

おおよそですがざっくりとグラブ用の革としては質(価格)的に5段階ぐらいに分けられます。

1-5としますと、1の一番安いものはこれもおおよそですが、12.000円ぐらい。1段階ごとに

高くなって5になると20.00025.000円以上することになります。

(もちろんキップ・ステア・カウなどの種別によっても異なります)

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革半分でグラブ用のパーツとして2個~2.5個分が取れるそうです。意外に思われるかもしれませんが、

この革の価格価値を決めるものはキズ・くせ・擦れ・繊維の歪みなどで、いいものとそうでないものの

質はどれもほぼ変わらない、ということです。何故か?革半分からどれだけ効率よくグラブ

の革が取れるか!が製造コストの原価率に拘りますが、【難】がある部分は避けますので、その分、

捕れる範囲が少なくなってしまうからです。また、同じ革半分を薄く削って2-3cmの短冊に切った

ものがヘリ革、さらにそうめん状に5mmぐらいの幅に切ったものがヒモ(レース)となります。

うしさんもかつては生きていました。怪我もするし病気にもなります。この生きた証の痕跡が価格に

反映されるということです。

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ココだけの話、グラブの製造原価は3割ぐらいとされます。定価50.000円の硬式グラブだったら

15.000円ぐらいが原価です。この原価にはアンコなど革以外の部品代や人件費なども含めた丸々

の価格です。これがメーカーさんや小売店さんを経て一般ユーザーさんに渡ることになります。

最後に、ムートンのモフモフは羊のシープスキンです。グラブによってはしなやかさと柔らかさ、

価格面からブタさんの革を平裏に使用(シカさんも有り)することもあります。