めちゃ多い修理依頼。。。。。この季節ならではの困ったトラブルが続出しております。
暑くて暑くて掌が汗びっしょり!そして手にはめているグラブも同じく汗でグダグダ。。。。。
そこまでは何とかいつもの状況ですが、これだけ毎日がピーカンで乾燥していては汗で
グダグダに濡れたグラブも一発で乾いてしまう。濡れて速乾、そして濡れて速乾で革は
いっきにカピカピに。そしてヒビ割れして穴があいてきます。グラブの内側だから、なんとか
使える?と、たかをくくっているけれど、実は深刻で取り返しのつかない事態が発生しているのです。
この『平裏』の修理は修理の中でも手間暇がかかって修理代金も高くつきます。例えば平裏を
交換する場合、目安として15.000円前後かかってしまうのです。これには理由がありまして、
この部分を交換する為にはヒモを全部抜き取ってバラすことから始まります。尚且つヘリ革とも
連動していますので、ヘリ革も取って交換しなければなりません。もちろんグリスも補充です。
そして指袋(グラブの中に入っている手袋のようなもの)を再度縫い合わせる作業となります。
そして、この平裏を全交換できる職人が全国に何人いるか?なのです。
簡単な方法ではカピカピにひび割れした革を研磨する方法です。機械で丁寧に硬化したウロコの
ような部分を削ってゆきます。物理的にはどんどん革が薄くなってゆきますので、実はあまり
おすすめできない作業です。最後にペーパーで磨きをかけてオイルを塗れば完成です。確かに
ゴワゴワする違和感はなくなりますが、結果としてはその時はいいけれど革の劣化をすすめてしまう
ことになります。薄くなると捕球時に痛いですし。
これがもとになる平裏の革です。革からグラブのサイズに合わせて手切りです。革の薄さは
おおよそ1.3mm前後でしょうか。穴はポンチで1個ずつ開けてゆきます。刺繍も入れてみました。
このようなことですので、あまり簡単に考えず、こんな季節であるからこそ、大事に思ってグラブを
いたわってあげてください。まずは炎天下にさらさないこと。守備が終わったらその都度、掌のまたは
グラブの汗を拭きとること。いつもより少しローションを塗る回数をふやすこと。→毎日はダメです。
週に1回でも十分です。過ぎたるは猶及ばざるが如し!グラウンドでは常に陰に置いてください。