梅雨です。毎日がじめじめしていて湿気が多くまとわりつくこの季節、野球の練習もグラウンド
ではコンディションも悪く大変です。さて、何度かこんな時期のグラブメンテナンスをご紹介
してきましたが、改めて『濡れたグラブをどうするか?』について弊店独自のやり方をご紹介
致します。
特に濡れたグラブの乾燥方法はかなり色々なサイトや動画紹介されていますね。ほとんど共通
していて、HOW TOが形骸化しております。
陰干しをすること。
泥や汚れをタオルやブラシで磨いて落とそう。
ドライヤー・コタツ・直射による天日干しは厳禁!
乾いたらオイルを塗ってメンテナンスフォローを。
手入れ部などグラブ内部は新聞紙などを丸めて乾燥材に。
などです。確かに当てはまっている部分が大多数です。弊店も推奨致します。しかしながら実際
はいろいろなケースが存在しますので、マニュアルのようなものはなく、もっと実践的で効果の
ある方法があるハズなのです。弊店では毎日たくさんの汚れたグラブが入ってきます。これを1個
1個時間をかけて手間暇もかけてメンテナンスしてゆく人力と余裕がありません。なので、ひどい
汚れを想定したメンテナンス方法をご紹介致します。この中にグラブの乾燥方法もありますので、
ご参考にしてください。
50-60°ぐらいの熱めのお湯をタライいっぱいに用意します。その中に中性洗剤を少量投入します。
熱めのお湯は脂汚れを溶かして落とす意図があります。ブラシをお湯につけて濡らします。
その濡れたブラシでグラブを擦って磨いてゆきます。出来る限り水分がアンコ(中綿)まで染み込む
ことを避けるように表側の革だけが濡れる感じで素早く(ゆっくりしてはダメです)ブラシで
擦って磨いてください。あとは乾いたタオルでよく水分を拭き取ってください。アンコが濡れない
ことは大事です。乾燥速度が断然に異なってくるからです。
ここからです。
グラブの革が少し濡れてしまっています。このままだとやはりあまり芳しくないことになってしまいます。
弊店では乾燥に若干のお金をかけます。50円程です。ホームセンターでいつも大量のキッチンペーパーを
買います。グラブ1個につき約1.5ロール位を使用します。新聞紙などを使用するとよく紹介されますが、
イエローや明るめのオレンジなどのグラブの場合、新聞の黒いインクが移ってしまうこともあります。
まずはキッチンペーパーを手でグルグルと巻き取って大きなダンゴボール(直径20cm程)を作ります。
これをグラブの内側に入れて手でパシパシして革の水分を叩いてふき取ります。この後、
そのボールは入れたままで、キッチンペーパーであとはグラブをぐるぐる巻きにしてしまいます。
大事なことはペーパーをグラブに密着させることです。
その為に仕上げとして紙製のテープでぐるぐる巻きにしてしまいます。
その後、ビニール袋に入れて密封してしまうのです。水分を全てキッチンペーパーに移してしまう
感覚です。ビニール袋に入れて放置する時間も大事です。放置しっぱなしはダメですので、おおよそ
10-12時間ぐらいがいいと思います(根拠はありませんがビニールを開けた感じがいいです)
その後はペーパーを全てはぎ取ってしまい、丸裸にしてしまいます。
丸裸のグラブはすごく乾燥しやすく、1日ほとんど陰干し放置で乾いてしまいます。もちろん
シミになることやグラブレースの色がグラブに若干移るというリスクも承知してください。
グラブの革もあまり劣化することなくうまく乾燥できるはずです。
何千というグラブをメンテナンスしてきたノウハウなので、あまり公表することは控えたいの
ですが、雨の中、濡れたグラブをそのまま使う丸坊主の中学生を想像してしまうと少し応援したく
なってくるのです。